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自覚症状がないクラミジアが悪化した時のリスクで考えられる事

2020年05月09日

性感染症には自覚症状が現れにくいものが数多く存在しますが、クラミジアもその中の一つです。感染したとしても目立った症状が現れないことが多いため、見過ごされやすいのですが、クラミジアは治療を受けず放置してしまうと症状はどんどん悪化してしまいます。

男性の場合、初期段階では尿道に炎症が生じて、尿道のかゆみや排尿時の痛みなどの症状が引き起こされることがあります。また、尿道から白濁した分泌物が生じることもありますが、この分泌液は尿によって流されてしまうことが多く発見が遅れるケースが少なくありません。しかし、適切な治療を行わずに放置してしまうと、炎症が尿道から前立腺や精巣上体(副睾丸)にまで拡大することがあります。特に精巣上体炎は、男性の不妊症につながることがあるため注意が必要です。

一方、女性の場合は、おりものの増加や変色、排尿時や性交時の痛みなどが代表的な症状です。これらは、子宮頸管炎の症状なのですが、女性の場合は男性よりも炎症の拡大が早く、子宮頸管から子宮内膜や卵管、さらには骨盤腹膜へと炎症が拡大していき、最終的には肝臓まで感染部位が拡大して肝周囲炎が引き起こされます。女性の場合、自覚症状が現れにくく、炎症だけが拡大してしまうことがありますが、子宮内膜炎を発症したまま妊娠すると早産や流産の原因となりますし、卵管炎は不妊症の原因となります。また、卵管炎によって卵管が癒着してしまうと、子宮外妊娠のリスクも高まるため、早期段階で治療を受けて症状悪化を防ぐことが重要です。なお、妊婦がクラミジアに感染したまま出産すると、産道から赤ちゃんへと感染してしまい、新生児肺炎や結膜炎を引き起こす恐れがあるため、妊婦は感染に注意を払う必要があります。

また、クラミジアを放置していると、HIVに感染する確率が3~5倍になると言われています。現在、HIV治療に使用されている抗HIV薬は、以前と比べると副作用が少なく服用しやすくなっていますが、現在の抗HIV薬であっても体内からウイルスを完全に排除することはできません。そのため、HIVに感染した場合、一生抗HIV薬を服用し続ける必要があります。

現在、クラミジアの治療にはジスロマックなどの抗生物質が使用されており、正しく服用すれば高確率で完治します。クラミジアは自然治癒することもあるとされていますが、症状の悪化を防いだり、HIVへの感染リスクを減らすためにも感染の疑いがある場合は検査を受けて早期治療につなげることが重要です。